仕事への考え方の違いについて
ここ最近、仕事仕事が上手くいっていない。その要因は、各メンバー同士が上手く噛み合っていないことが要因であると考えている。
今は海外の子会社で働いているわけだが、ここでは仕事の成果について現地の社員によるところが非常に大きい。というのは、
・顧客の文化や習慣をよく理解している⇒ニーズを捉えやすい
・営業において、相手の微妙な機微を感じられる
・法令等への理解度
等の強みを持っているからである。
外国の企業が進出してきても、その計画・企画の完成は現地社員の協力なしに成し遂げられないのである。
で、我々の会社が進出してきても、思うように展開できていない。これは私の会社を含めた多くの日本企業の中で、「従業員へのモチベーションを与える仕組み」が十分に構築できていないことにあると思われる。
極端に言えば、「言えば何とか頑張ってくれる」という従業員に対する甘えが日系企業の経営にはあると感じている。
この経営スタイルが出来上がった要因はひとえに日本人従業員の真面目さにある。日本人は、そもそも相手の立場に立って考えることを習慣としており、そのため上司の立場やそこでの周りから期待されている役割というものを常に意識ができている。
例えば、私が子会社に出向してきたとき、私に課されている使命や、上司に課されているミッション等まで含め、今行うべき業務を決めていた。当初は引き継ぎ事項だけで、自由な時間が増えたものの、楽になった自分に甘えることは考えない。次は自分が何をするべきか、というものを考え、その業務に当たっていた。
これが、従業員としてもつ自分自身の常識のように思っていた。「会社のため、上司のため、周りのため」に何をするべきかというものを最優先に仕事を考えることは全員が当然持っている思考であると考えていたのである。
だが、海外にきてこの常識が常識でないことが分かってきた。現地の社員は、時間が余ればこれ幸いとばかりに私的に時間を使いだす。自分の能力を上げるための勉強であったり、携帯でゲームをしたり、本を読んだりと。
あるいは仕事量をコントロールしようとするような行動も行う。無断に30分程度外出したり等。
つまり、会社の経営に対するコミットが一切ないのである。
よって従業員にやらせたい業務をうまくふることもできず、大した成果が上がっていない。
こちらに来てもう2年になるが、いつまでたっても同じような状況である。
これは仕組みを変えなければならないが、そもそも日本にもこの従業員へのモチベーションの与える仕組みができていないので、「どう変えたら良いの?」という感じなのである。
手っ取り早いのは待遇を上げることとは思うが、待遇を上げたところで期待通りの成果を上げてくれるか分からないし、ましてや「人件費関連の規定」を破るわけにもいかないという様々な制約がある。
以前は、この現地社員の貢献度合いの低さに対して不満を感じていた。
恥ずかしくないのか?という風に自分の価値観をもとにした思考をしていたが、最近になって日本企業の仕組み自体に問題があるのでは?という風に考え方が変わってきた。
そもそも日本の仕組みって
・基本的には年功序列
・同じ役職レベルだと待遇に差がでない
・人よりも多く業務をこなしていても待遇に差がでない
というところがあると思う。
もちろん限界もあり、これを完全に是正するのは難しいとは思っていますが、例えば優秀な人は仕事を早く終わらせれば終わらせるほど、ほかの仕事もふられ、給料には差が出ないなど、逆に不平等になっている部分を感じている。
有名な話では、日系企業に勤めた外国人はわざと手を抜こうとする、というものがあるが、この外国人は、別に不真面目なわけではなく、日本企業の仕組みがこの外国人の業務への姿勢を変えさせてしまっているのでは?という風に思い始めてきました。
真面目な人が損をする、これを地に行くのが日本企業なのかもしれませんね。
まぁ、うまく付き合う方法を模索していきたいな、という風に思います。